【できるはず!?】組み込みエンジニアのリモートワーク事情をご紹介します

2020年は社会が大きく変わった1年になりました。
今までは普及させようとしてもできなかった、リモートワーク(在宅勤務)や時差出勤といった新しい働き方が”普通”の世の中に変わろうとしています。

働く側としても、感染症予防のために人混みを避けて出勤したいとか、在宅で仕事をすることでリスクを減らしたいと考えている人も多いでしょう。

しかし時差出勤はともかく、リモートワークについては職種による向き・不向きがあり、誰もが在宅での仕事が可能なわけではありません。

では、組み込みエンジニア業界はどうなのでしょう?

この記事では私の日頃の業務を例として、
組み込みエンジニアの仕事はリモートワークが可能なのかどうかを検証してゆきます。

「組み込みに興味あるけれど、リモートワークなど新しい働き方ができる仕事なのかどうかが気になる」

そんな方の参考になれば幸いです。

結論
  • 組み込みエンジニアであっても、限定的なリモートワークは可能です!
    • 全てリモートにするのは難しいが、
      ハードウェアを使用する業務を集約して出社と併用は可能
    • 製品の開発フェーズ等に応じて、
      柔軟にリモート可否を判断するような運用であれば可能
ちなみに筆者の現状は・・・
2020年11月現在、筆者はリモートワークはしておりません。
集まった方が効率が良いからと言うことで許可がおりません。そりゃそうですが。。
会社としては徐々にリモートワークの人数が増えていますが、私がリモートワークになるのはまだまだ先の話でしょう。。。

組み込みエンジニア(ソフト設計者)のお仕事を整理

まずは普段の業務内容を書き出してみます

普段行なっている業務は大きく分けると、製品開発系それ以外との二つになります。
内容をそれぞれ簡単に列挙してみるとこんな感じになります。

製品開発系
  • 要件定義、仕様検討
  • ミーティング
  • 仕様書等、ドキュメント作成
  • コーディング(プログラム作成)
  • デバッグ(バグ出し、動作確認)
  • テスト
  • レビュー
上記以外
  • 部門のための業務(雑務)
  • 特許検討、執筆
  • 他社特許調査

リモートが難しい業務はどれだ??

上記のうち、赤のマーカーを引いた項目(デバッグ、テスト)に関しては対象となる製品(ハードウェア)を動作させる必要があるため、リモートワークは難しい作業と言えます。

逆に言えば、それ以外のほとんどの業務は製品(ハードウェア)を使う必要がない業務だ、ということになります。

組み込みエンジニアだからといって常に製品(ハードウェア)を使用しているわけではありません。
担当するポジションにもよりますが、むしろ上流工程の要件定義や仕様検討、各種ミーティングへの参加など、ハードウェアを使用しない作業の方が比重としては大きい場合もあります。

例えば
 ・週に2日は出社して製品を使用した業務に集中する
 ・それ以外の業務はリモートで行う

というような業務の切り分けができれば、リモートでも十分成り立つはずです。


実際のところは上記の2項目に対しても、シミュレータ環境などが整っているような職場であれば必ずしもハードウェアを必要とはしないでしょう。
(とは言え、どこかで必要になるのは間違いないと思いますが)

どうしてリモートワークが広まらないのか?

上記で挙げた例だと、デバッグやテストを除けばリモートワークでも十分成り立つように見えます。

それならば週に2日でも3日でも、明日からリモートワークだ!と行きたいところですが、それを阻害している原因は何でしょうか?

開発フェーズによりデバッグやテストの比重や緊急度が変わる

経験上、新製品の立ち上げ時や終盤の評価フェーズでは以下の状況になりがちです。

  • 製品立ち上げ時は動作が安定しないため、
    原因追求や仕様検討のためのハードウェアを利用したデバッグが増える
  • 製品開発の終盤では1つのNGでも緊急対応を求められるため、
    作業時間が読みにくい

一方で製品開発の中盤では要件の数にもよりますが、序盤や終盤のような緊急対応を求められることは少なくなります。

急な割り込みが入らずに「仕様検討→実装→デバッグ」という一連の開発フローを繰り返すことになりますので、ある程度工数やスケジュールの見通しが立てやすい状況と言えます。

立て込んでいる時期は出勤、そうでなければ在宅併用、
という柔軟な決め方ができるのであれば、実現の可能性はありそうですね。

またリモート可能な時期を見誤らないようにするためにも、これまで以上に業務の見通しの良い状態を作っておく必要がありますね。

複数製品の開発が重なることがある

一つの製品が終わったら次の製品に移る、といきたいところですが、現実なかなかそうもいきません。
ある製品が終盤に差し掛かった頃にはすでに次の製品の開発がスタートしていることはざらですし、掛け持ちで複数製品を担当する可能性もあります。

そうすると、ある製品はフェーズの半ばで落ち着いていたとしても別の製品は評価フェーズ真っ只中、なんて状況が生まれるわけですね。

リモートワークが可能かどうかはその時の最も忙しい製品に引っ張られてしまうため、複数製品を担当している場合はどうしても在宅で仕事をするチャンスが減ってしまう、というのが現実的にはあり得ます。

結局、リモートワークはできるのか??

ハードウェアを扱う仕事の特性上、フルでのリモートは難しいと言わざるを得ないでしょう。
扱う製品を自宅に持って帰るのもとてもハードルが高いと思いますし。

しかし上記で書いた通り、期間を限定したり出勤とリモートを併用したりするのであれば不可能ではないと思います。

会社の開発フローや体制によってリモートワークの可否は大きく左右されることも否めません。
しかし組み込みエンジニアの一般的な仕事として、四六時中ハードウェアを使用してデバッグ等を行なっている訳では無いというのもまた事実です。

会社の方針によるものの、組み込みエンジニアは組み込みエンジニアなりの方法で今後リモートワークが広がっていく可能性は十分あるのではないでしょうか。

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